ここがヘンだよ日本のアニメ業界

アニメ会社で働きながら考えたことを書いていきます

アニメのDVDを売る為にはどうしたらいいのか/値段・所有欲・利便性という点で考える

DVDを売る為にはどうしたらいいのか、ちょっと考えてみます。
 
目標というか目的は、現在のコアなアニメファンだけでなく、もっと気軽により多くの人にアニメのDVDを手に取っ手もらえるということを目指してみました。
 
まず僕はアニメ業界に身を置いていながら、ガチなオタクではない、と思う。
ラノベもあまり読まないです。
時間が取れないのもあって実はあまりアニメも見ない。
仕事柄、生の素材を嫌っていうほど見てるのでそれで十分というのもあるかもしれない。
作品への必要な情報はネットで事足りちゃうし。
アニメのDVDはほぼ買わないし、買っても劇場作品だけ。
そんな僕が考えてみるDVDを売るアイデア
 
とりあえず買わない理由を挙げてみる。
 
・値段が高い
・原作がまだ進んでたりとかで、ストーリーが完結していない
・作画が良くない
・プレイヤーがないと見れない
・一回は見た作品なので、見返す気になれない
・ディスクをいちいち入れ替えるのが面倒
・見ようと思えばネットで見られる
 
大体こんなところですね。
 
1つ1つ検証していってみます。
 
まず値段。
劇場版の方がTVシリーズよりストーリーや作画が作り込まれていて収録時間も長いです。しかも劇場版の方が安い。
これではテレビシリーズのDVDなんか買う気は起きないです。
ならどうするか?値段を下げるしかないでしょう。
1話当たり500円ぐらいでようやく購入するかどうか考えます。
 
ストーリーが完結していない。
これは致し方ないです。
ただ、アニメ化する段階で区切りをつけられるような原作をチョイスしてもらいたいところ。
Fate/ZEROなんかはそういう意味では良かったですね。
京アニやPAworksもシリーズ通して、パッケージとしてまとまった作品を選んでる印象。
鋼の錬金術師もアニメと漫画の完結を合わせるのは良かった。
 
作画が良くない。
せめて放映時にキャラが崩れてたところは完全に直してもらいたいですね。
レイアウトとか動きがおかしいところも直してパッケージ化してもらいたい。
 
プレイヤーが無いと見られない。
スマホタブレット全盛の時代に、ディスクでしか見れないというのは不便です。
電車の移動等ちょっとした空き時間に見られるようにするべきですね。
ただでさえ、今はネットで無料で見ることができる時代です。
無料でなくとも、バンダイチャンネル等定額で見放題のサービスがあります。
 
まとめると、値段・所有欲・利便性に集約されますね。
これは大体どの人にも当てはまるかと思います。
 
現在のアニメのDVDの販売というのは、ファンの心理に付け込んで、値段も利便性も無視した宗教まがいの信者商法に頼っています。
上の区分的には所有欲ですね。
 
これをどのようにしたら、より多くの人に購入してもらえるようになるか。
 
値段を下げましょう。
そして、パッケージとダウンロード両方で販売しましょう。
パッケージ版だと1話当たり500円ぐらいで、ダウンロードのみだと250円とかの値段で。
パッケージを購入した人はダウンロードも可能という形態にします。
パッケージにシリアルIDみたいなのを貼っておけば可能です。
ダウンロードしたデータはスマホでもPCでもタブレットでも見られるようになります。
特定の話数だけ購入したいということも簡単に出来るようになります。
もちろんディスクの入れ替えとかという手間もなくなります。
これで値段と利便性はクリアですね。
 
あとはどれだけ所有欲をそそるか。
作画直しは当然ですね。
作画を直したら、直す前の放映バージョンの映像も入れて欲しいですね。
上下に並べて見られるようにしたりとか。それって購入者だけの特典ですよね。
他には、アニメの設定やコンテとかのデータも一緒にしたりとかですかね。
オーディオコメンタリーや特典映像とかもですね。
放映だと尺の関係で切ったシーンとかもディレクターズカットとして入れてもらえるとお得感はありますね。
キャラクターの掘り下げシーンだったりすると、後の盛り上がり方も変わってくるでしょうしね。
 
ただ、結局どれだけ付加価値を付けたところで、本質はその作品が面白いかどうかだと思うので、やはり作る側はそこに対してどれだけ拘れるかが大事じゃないですかね。
 
ちなみに作画は微妙でも面白かった作品は、悔しいですがガッチャマンクラウズがそうですね。
やはりアニメというか映像作品全般、シナリオとコンテが全てとは言いませんが最重要な作品の根幹ということを認識させられましたね。

 

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