ここがヘンだよ日本のアニメ業界

アニメ会社で働きながら考えたことを書いていきます

アニメの円盤の値段高すぎ/買う方も売る方もバカなの?

DVD1枚に2話収録で5000円~8000円ぐらいでしょ。

大体1話辺り2500円~4000円ぐらいか。

1クール13話だとして、13×2500=32500円。
安い作品でこの値段ですよ。
ライブとかのイベントチケットが付いてくるとしても、そのイベント代は別途料金が発生する訳ですよね?
 
高い、高いよ!
 
いくら気に入った作品とはいえ、買うファンの方からしても値段高過ぎですよね?
 
DVDを買ってくれる人の年齢って20代~30代が多いと思うのですが、みなさんそんなに財布に余裕がある方ばかりではないんじゃないですかね?
 
 
20~30代の平均年収は上の通りらしいです。
 
家賃・水道光熱費・食費・通信費等の必要な出費を除いた、趣味に使える可処分所得を考えるとちょっとDVDの値段て高過ぎだと思う訳です。
ファンに優しくない。
 
この値段って販売する側の事情で設定されてて、ほぼ変更されていないんですよね。
DVDが売れる予想枚数を必要な売上で割っただけで設定されています。
完全に売る側の理屈です。
 
普通他の商品だと値引きをしたりする訳ですが、ことアニメのDVDに限ると何故か値引きという概念が一切なくなるという。
 
ほぼ確実に大ヒットが予想されている進撃の巨人ですら、1巻6000円ですからね。
もっと値段を下げてより枚数を売れるようにという選択肢は出ないんですよね。
 
要は、
 
アニメのDVDを買うのなんて一部のアニオタしかいない
アニオタは値段が高くても買ってくれる
というか値段下げても一般人は買わないので、値段下げる必要が無い。
予想よりたくさん売れたら儲けもの
 
ということです。
 
もちろんパッケージ化に際して、作画修正やオーディオコメンタリー、特典映像、グッズなどのおまけは付きます。
最近はイベントチケットとかですね。
 
完全にファンを狙って囲い込む、信者商法です。
完全に宗教のお布施ですww
 
高いお金出してDVDを購入しても、最近ではロクに作画が修正されていないこともあります。
修正されている内容といえば、湯気や謎の光が無くなってるぐらいだったりします。
本当にそれでいいんですかね?(湯気に関してはそれで良いという人はいっぱいいそうですがwww)
 
ビジネス的には売上を担保できるようにする必要があるのは分かります。
 
ファンも好きな作品にお金出してるのでwinwinの関係と言えるでしょう。
 
でもこの商売でいつまで続けることができるんでしょうか?
 
少子化で子供の人数が減っている世の中、新しくオタクになる人数は減っていきます。
既存のファンも、ブラック企業が増え、収入が減り、労働時間が増えてる昨今、アニメのDVDを買い続けることも難しいでしょう。
娯楽も多様化してきています。
そのうち若者のアニメ離れが叫ばれるようになるに違いありません。
 
近いうちに今のビジネスモデルは確実に崩壊するでしょう。
 
恐らく、オタク向け作品のDVDの売上はFate ZERO, 化物語まどか☆マギカインフィニット・ストラトスの5万枚ぐらいがマックスだと思われます。
DVDを購入する層の人数はほぼ決まっていて、後はそのパイをどう分配できるかということですが、1作品当たりに分配できるパイの量が5万枚ぐらいだということですね。
 
これ以上売上枚数を増やすには要はパイを大きくする、つまり新規層の掘り起こしをする必要がありますが、その最有力だと思ってた進撃の巨人ですら定価を変えずに販売してる訳です。
それで結局BDとDVDの合計で8万枚ぐらいしか売れてない訳です。
国民的大ヒットとか言われてる作品の売上が8万枚ですよ。
 
値段だけが問題では無いと思いますが、業界全体でもう少しアニメのDVDをより広く手に取ってもらう努力をした方がいいんじゃないですかね。
 
ちなみに僕はアニメのDVDは劇場作品しか買いません。
 
テレビシリーズ?だって高いじゃん

 

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