ここがヘンだよ日本のアニメ業界

アニメ会社で働きながら考えたことを書いていきます

学校の先生とアニメ業界ってよく似てる

最近学校の先生が大変だというエントリが話題になっていましたね。

 とある、真剣に働いていた高校教師の実態

 
これらを読んで思ったことが、アニメ業界と学校の先生ってよく似てるなということでした。
 
■学校の先生とアニメ業界の似てるポイント
 
アニメみたいな好きなことをしてお金がもらえるんだから、大変なのは当たり前だろうという意識が、働いている本人もだし、ある種周囲からもあるということですね
学校の先生も生徒を立派に教育するという崇高な仕事なので、教師が身を粉にして働くのは当たり前だろうという意識がありそうな印象。
 
ギリギリの人数で業務を行っているのに関わらず、時間外・残業当たり前で仕事を割り振られること。
 
本来の業務ではない雑用が非常に多く、そちらにも時間を取られること。
 
人と接することも業務に入っているので、相手の時間にも合わせなければならないということ。
 
■どうしてそうなってしまうのか?
 
会社の人数自体が常にギリギリなので、突発的な仕事が入ると残業してでもやらなければいけないという風潮がある。
自社での作業したもののリテイクであれば、もちろん対応しなければならない。
そのリテイク対応は先方の言う時間に従わなければならない。
納品2日後にリテイクの連絡をしてきて、数時間で直して下さいということもザラ。
 
新規仕事であれば断るという選択肢もあるけれど、融通の利かない会社だと思われたら次からの発注に響くので無理したら作業可能であれば受けざるを得ない。
ここでの無理はもちろん時間外業務という意味です。
任意の残業だからといって帰ろうとしても、若手だったり予定の有無を聞かれて予定が無ければ即残業コースです。
予定があっても仕事だからとキャンセルさせられることも当たり前にあります。
 
普通の会社であればあるであろう総務的な部署がないので、いる人員でそういう業務も担当します。
当然ながらその業務の工数は考えられていない。
 
また通常の業務の中で、打ち合わせが占める割合が非常に大きいです。
シナリオ、コンテ、演出、作画、色彩、色指定、背景、撮影等様々な打ち合わせがあります。
一人でこの全部の打ち合わせに出る必要はありませんが(作品の全体管理をしているデスクや設定制作は出るかも)それでも数多くの打ち合わせがあります。
その打ち合わせの時間は、参加者の誰かが、その時間しか出れないとなれば深夜や早朝になることもあります。
9時~17時というような一般社会での定時という概念は無く、個人の生活時間も考慮されることなく、全員が他の打ち合わせと被ってない時間のみで決定されます。
自然と生活リズムというものが無くなってしまいます。
打ち合わせがない時間に個人が持ってる業務を行います。
 
大前提として作品の制作スケジュールが最優先になってしまっているので、そのスケジュールに作品に携わる全員が合わせなければならないという雰囲気です。
 
学校の先生の生徒の為という前提というかお題目の前に、個人の事情が鑑みられないようになってしまっているということが、アニメの状況とよく似ていますねwww
 
■どうすれば解決できるのか?
 
全体での予算を増やすことができないのであれば、業務を細分化して、ワークシェアリングをするしか現場の状況を改善する方法はないでしょうね。
アニメ業界も業務細分化して、給料が減ってでも、外注等に委託できる分は委託したいと思っているスタッフはたくさんいると思うのですが、どうなんでしょうね?